-THE COFFEE JOURNAL-
#3 「おすすめのコーヒーはなんですか?」
「おすすめのコーヒーはなんですか?」
店頭で、本当によくいただく言葉です。
でも、この質問が一番難しいんです。
お店として売りたいコーヒーと、その人に合うコーヒーは違うからです。
もちろん、高価なコーヒーのほうが売上につながることはわかっています。
でも、その人が "いま飲みたい" と思えるコーヒーが
別にあるなら、私はそちらをおすすめしたいと思っています。
だから、まずお聞きします。
「普段はどんなコーヒーを飲まれますか。」
「苦味はお好きですか。」
「今日はどんな気分ですか。」
おすすめは、一つではありません。
OUTSTANDINGの店頭には、それぞれのコーヒー豆の香りを試せるように、ガラス容器に入れたテスターを置いています。
産地や品種、精製方法といった説明を読む前に、まず蓋を開けてそのコーヒーの香りを聞いてみる。
どれが有名か。
どれが高価か。
どれが高い評価を受けているか。
そんな情報より先に、自分が思わずもう一度確かめたくなった香りを探してみてください。
それがうまく言葉にできなくてもいいんです。
「これが好き。」
最初は、それだけで十分です。
元気になりたいとき。
休日をゆっくり過ごしたいとき。
明日を頑張りたいとき。
がんばった今日を締めくくりたいとき。
同じ人でも、その日に飲みたいコーヒーは少しずつ変わります。
コーヒーの豆には800種類以上の香気成分があるといわれています。
焙煎によって生まれる香りもあれば、姿を変える香りもあります。
その中には、昔の記憶を思い出す香りもあれば、これまで一度も出会ったことのない香りもあります。
それが例えば名前の知らない南国のフルーツであったとしても、それを感じたあなたはそれを好きだということに気づくかもしれない。
そんな "まだ見ぬマイフェイバリット" を探す旅でもあるわけです。
だから私は、「どれがおすすめですか?」という問いかけに、一つだけの答えを持っていません。
その日の気分。
その人の好み。
そのコーヒーと、どんな時間を過ごしたいのか。
その言葉を聞いたからこそ、本当の意味での "おすすめ" をご提案できると思っています。
明日はどんな一杯との出会いが待っているんでしょうか。
To Be Continued...
THE COFFEE JOURNALでは、焙煎や抽出の話だけではなく、コーヒーの歴史や文化、生産地のこと、日々の発見や研究、そして一杯のコーヒーの先にある豊かな時間について、店頭でいただいたお客様の声も交えながら綴っていきます。
コーヒーにはひとりひとりに好みがあります。
もちろんすべての人にあてはまる正解があるわけではないですが、コーヒーには、まだたくさんの可能性があります。
その可能性を、一緒に探していけたらと思っています。
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